鳥たちに最も愛されるラジオ番組
「YAKITORI ALL NIGHT」。
人気コーナー「MUSIC FOR BIRDS」の内容を
遂に本誌が入手!という趣で、
音楽を紹介していきます。

 

M U S I C  F O R  B I R D S  # 2 0 2


さあ次のコーナーに行きましょう。「 MUSIC FOR BIRDS」。リスナーのみんなに旬の音をお届けします。今日は、 12か月ぶりの出演となります、「 shohei watanabe」さんです。どうぞ!
こんばんはー。よろしくお願いします。
YAKITORI ALL NIGHTへ、また来てくれてありがとう。
こちらこそ、ありがとうございます。またお会いできて光栄です!
また今回のアルバムはこれまでよりもさらにキレイなジャケットね!!
はい!今回は友達の絵描きtonoharunaにお願いしました。彼女の抽象画が…
あ、ごめんなさい。どうぞ先にお掛けください!
あ、ありがとうございます。

それで、お友達のtonoharunaさんの旧正月がどうしたんですか?

抽象画です!笑 旧正月はどうもしてないです。笑 抽象画が今回の作品にピッタリだなぁと思ったので、完成した曲を渡して、聴きながら描いてもらいました。

曲を聴きながら描いてもらったのね!おもしろい試みね!今回の作品を作り始めたきっかけは?

前回の「touch on Jioufen」がまだ完成していないときに、これが出来たら次は何をつくろうか考えることがあって、大学のときにいろんな言葉を殴り書きしていたノートを見返していたんです。その中に「どこかの国のスコール」という言葉が書いてあるのを見つけて、これは響きがいいなぁ。次はこれをテーマに描いてみようって、構想を練り始めました。

その時には消化できなかったものも、年を取って形にできることってあるわよね。

そうですね!このタイミングだったからできたと思います。過去のノートに書いていた言葉が、ヒントになったりしますよね。

今回の作品で力を入れたことは?

そうですね。過去の2作品と違うところは、1曲目からラストに向かって時間の経過とともに、物語が展開していくところですかね。その物語性を表現するところに力を入れました。

なるほど。1曲目がホーム、2曲目からスコールになっていますけど、いったいどんな物語なのかしら?

週末に働き疲れた独り身のサラリーマンが最後の力を振りしぼって、ようやく家に辿り着いて、カバンとカギを放り投げて、冷蔵庫からビールを取り出す。ソファに深く腰掛けて、テレビをつけるんですが、観たい番組にチャンネルを合わせるわけじゃなくて、ついたチャンネルをボーっと眺める。そこで流れる番組が自然をテーマにしたドキュメンタリー。ディスカバリーチャンネルの自然特集のようなイメージですね。テレビから聴こえる雨の音をぼんやり感じていると、森にいるのか部屋にいるのか区別がつかなくなって、でも雨の音が心地よくて、疲れも相まってソファで寝落ちてしまう。まとまらなくてすみません。

いいえ。すみませんの「すみ」で思い出した!焼き鳥どうぞ!!こちらこそ、すみませんね!

あ、ありがとうございます。

参考にした曲はありますか?

2曲目、3曲目のどこかの国のスコールを作るときは、DEEP FORESTのComparsaを繰り返し聴きました。3曲目がなかなかできなくて、2回泣きました。笑

それでは、その苦労なさった2曲目、3曲目の「どこかの国のスコール」ⅠとⅡを続けてお聴きください!!

聴いていただいたのはshohei watanabeさんで「どこかの国のスコール」ⅠとⅡでした。
今後、どんな曲を作りたいか、もし決まっていれば教えてください!

そうですね、今、温泉をテーマにしたものを制作中です!!温泉の曲を作るなら、温泉を深く知らなければいけないと、都合よく理由づけて、これからいろんな温泉に行くことにしました!

温泉は日本の「おもてなし」が全て集合しているわよね!素晴らしいわ!!私も羽を休めたいわ~、鳥だけに!!

うまい!!!

今日は心からリラックスできる音楽をありがとうございました!それでは、お会計ですね!少々お待ちください。せせり2本と皮2本で800円です!

ズーイーさん、ごめんなさい。ポイントカードを忘れてしまったんですが。

あ、それは押してあげられないわ。いろいろ経過があって出来たルールだから。箱根の母も突然箱根の母になるわけじゃないでしょ?

ん?箱根の母??

箱根駅伝を走る選手の母のことよ!仲間がつないだタスキを自分の子がつなげなかったらって考えたりすると、私だったら精神的に耐えられないと思うの。

は、はい。

でも、箱根駅伝に出場する選手は、ちっちゃい頃から大きいレースに出たり、何度も大会に出場してて、初めのうちは胃の痛い思いをすると思うけど、息子の頑張る姿を見て、私も気丈に振る舞わないといけない!一緒に闘おう!そう思うようになって、母として、強い精神力を持ち始めると思うのよ!!

は、はい。ポイントカードの話は…

つまりポイントカードも箱根の母と一緒で、いろいろな経過があって、忘れてしまった場合はスタンプを押してあげられないということよ。ごめんなさいね。

おお、なるほど!よく分かりました!!

とにかく箱根の母だけ覚えて帰ってくれれば嬉しいわ!

分かりました!箱根の母だけ覚えておきます!箱根駅伝も選手の陰で一緒になって母親も闘っていると思うと、さらに感動が増しますね。

そうよ!箱根の母は偉大なのよ!!

年明けの箱根駅伝が楽しみです!!

今日のゲストはshohei watanabeさんでした。ありがとうございましたー!はい、200円のお返し~!


I N F O R M A T I O N


W O R K S

 
A R T I S T

s h o h e i  w a t a n a b e

1983年、広島生まれ。ピアノとボーカルのユニットMOUNTAIN&ISLANDのボーカリスト、寝室の音楽をコンセプトとして眠りに導く音を発信するbedroom Ambient records主宰、ウェブマガジンyama & shima ZINEの編集人。
 
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L I N E R N O T E

1. ホーム
この物語の主人公は独り身のサラリーマンで、週末に働き疲れて、ようやく家に辿り着いて、ドアを閉めた音で休日が始まる。やったー!明日から休日だ!!という前向きな感じよりは、明日は出勤しなくていいっていう安堵感と、誰からも干渉を受けない「家に守られている」という安心感を「ホーム」という曲でイメージしました。
 
2. どこかの国のスコールⅠ
2部構成の前半です。美しい生命に満ちた森を表現しました。川の流れる音、鳥、カエルの鳴く声…ふくよかな自然をイメージして、音を追加していきました。お気に入りは、アジア雑貨で購入したカエルの楽器です。リバーブをかけた鳴き声を追加したら、深い森感が倍増しました。
 
3. どこかの国のスコールⅡ
2部構成の後半です。雷が鳴り響き、一気に雨が叩きつける様子を描きました。自然への畏怖を感じられるような仕上がりにしようと、試行錯誤しました。アルバムの核となるメインの曲のため、一番の仕上がりにしないといけないというプレッシャーで、メインのバッキングやリズムが決まらず、2回、声も出さず泣きしました。Comparsaと距離を置いて、また時間を置いて接近し、メロディやリズムを何回も変更し、ようやく形になりました。雨が止んだあとの明るい森の描写もお気に入りです。
 
4. 雨上がり、星は玲瓏として
スコールが過ぎて、澄みきった空にたくさんの星が光るイメージを音にしました。玲瓏とした星の輝きを意識して、エレピでメロディを重ねました。弦楽器が入る2分14秒からが聴きどころです。輝きを増す夜の神秘さを表現しました。
 
5. 午前3時
艶やかな夜が終わり、寝静まる夜をイメージして作りました。優しいピアノの音のみで構成した作品です。#4と#6をつなぐ大切な曲です。
 
6. ベッドルーム-彩夢と静謐の描写-
曲の前半で、家に帰ってきてからの現実か夢か分からない映像で溢れかえった頭の中を表現し、後半で、寝室に移動してぐっすり眠る様子を音にしました。