鳥たちに最も愛されるラジオ番組
「YAKITORI ALL NIGHT」。
人気コーナー「MUSIC FOR BIRDS」の内容を
遂に本誌が入手!という趣で、
音楽を紹介していきます。

 

M U S I C  F O R  B I R D S  # 4 2 1


さあ次のコーナーに行きましょう。「MUSIC FOR BIRDS」。リスナーのみんなに旬の音をお届けします。今日は、2回目の出演となります、「MOUNTAIN&ISLAND」さんです。どうぞ!
よろしくお願いします。
またオファーにこたえてくれてありがとう。
こちらこそ、光栄です!
今回の作品はどんな感じなのかしら?
前回はピアノとボーカルだけのしっとりした作品だったんですが、今回は、ギターに七階小町の中田くん、バイオリンにルルルルズのこのみさん、パーカッションに峯モトタカオを迎えて、バンド形態の華やかなイメージの作品ができました。
今回は長ネギを刻む技術がテーマの不思議な作品だと思うんですが?
…はい??

刻んだネギをさまざまな料理に乗せた歌なのかしら?

えっと…

白髪ねぎにして、ラーメンにトッピングしてみせたり?

…今、何が起きてますか?

え、タイトル「刻む、長ねぎ、スキル。」でしたよね?

あ!そういうことが起きていたんですね!笑 「刻む、流れる、過ぎる。」です!

あ、ごめんなさい。刻み過ぎる、長ねぎね!刻みすぎて余っちゃうのよね!余ったらどうしてるの??

…冷凍してます。

そうよねー。もったいないものねー。時間と長ねぎは必要なときにないから、あるときは大切にしなきゃね!時間と長ねぎは失くしたときに初めて大切さに気づくものよね!そんな意味が込められてるのかしら?

…はい!時間がテーマなので、ほぼ合ってます!笑

タイトルにはどんな意味があるのかしら?あ、かしら食べてください!あ、そうね!ねぎ食べたいわよね!ねぎまもどうぞ!

はい。いただきます!今回はこの編成で録りたい曲を選んだので、タイトルを決めるのにすごく時間がかかりました。ライブでも演奏したことのあるgrope、enuui、lyreの3曲なんですが、色でまとめようか、いや違う。秋で束ねようか、いやgropeが異物すぎる。何時間も経過したとき、相方が高校時代の一つ上の生徒会長の話を思い出して、時間の経過を表す動詞がたくさんある。時間が流れる、時間が過ぎる、時間が経つ、時間を刻む…gropeが刻むで、ennuiが流れるで、lyreが過ぎる。そんな感じで決まりました。めちゃくちゃ時間がかかったので、次回はテーマから決めて選曲したいですね。笑

前作「とおくふるさと」と比べて、今回の作品は物語のようなイメージを強く感じたのですが、何か変化があったのかしら?あ、どうぞ、かしら食べてください!

さすが、ズーイーさん!前作の4曲は全て大学1年の6月までに書いたもので、直球!って感じで、失恋の悲しさをリアルに綴るものが多かったですね。今回のものは、大学2、3年に綴ったもので、何かテーマを決めて、言葉を練って、美しい響きを選んで、短編小説のように仕上げようとしていました。この頃、大学の友人に詩を見せたら「しょうへいの詩は耽美的だよねー!」と言われ、それを目指して書いているんだよ!と言いながら、意味の分からない「耽美的」という言葉を家に帰ってから、調べたのを覚えています。それからは、言葉の響きの美しさ、その響きから得られる情景の美しさを意識するようになりました。今のマウアイの世界観はこの頃生まれました。

ジャケットはどんなイメージで描いたのかしら?あ、かしら、あったかいうちにもう1本食べてください!

はじめはlyreの歌詞の内容に合わせて、星座をつないでいた光のパーツが空から崩れ落ちるイメージの絵にしていたんですが、やっぱりgropeにはマッチしないものでした。曲を録り終えて、数ヶ月後に、福島の通称ダリ美術館に行った際に、時計が布のように木の枝にかかっている絵を見て、今のジャケットのイメージが湧いてきました。時間が経過する様子を数字が実っては枯れ落ちてゆくことで表現しました。

素敵だわね!それにしても今回はgropeがネックなのね!じゃあ焼き鳥のネックといえば、せせり!gropeを聴いてもらおうかしら!

聴いていただいたのはMOUNTAIN&ISLANDさんで、せせりでし、あ、すみません、ネックでしたー!

…gropeでしたー!

ごめんなさいねー。ネックにつられちゃって。今回の作品で一番に聴いてほしい曲はどれかしら?

そうですねー。やっぱりennuiですかね。ライブでも必ず演奏していた曲なので、ぜひ聴いていただきたいですね。

分かりました。それでは今回の作品の肝になる曲、ennuiをお聴きください!

聴いていただいたのは、MOUNTAIN&ISLANDさんで砂肝でしたー!

…ありがとうございました。

いかがでしたか、久しぶりのYAKITORI ALL NIGHTは?

楽しかったです!自然に囲まれたスタジオで、空気が澄んでいて、ほんとに心地いいですね。あと、毎回思うんですが、ここの焼き鳥すごく美味しいですよね!調理も鳥さんがやられてるんですか?

………。本日のゲストはMOUNTAIN&ISLANDさんでしたー!


I N F O R M A T I O N


W O R K S

 
A R T I S T

M O U N T A I N & I S L A N D

2003年1月、ボーカルの渡部祥平とピアノの内井清貴により結成。結成1年半で100曲を綴る。美しい物語の中に入り込んだような耽美的な世界観を得意とする。
 
MOUNTAIN&ISLAND HP
shohei watanabe HP
 
 
 
 

L I N E R N O T E

1. grope

退屈と自由っていうのは紙一重だなぁと感じた日常を題材にしました。学生時代に、サークル活動の関わり方を悩んだ時期があって、そのときに遠距離活動をしていた相方から、この曲が届きました。大学を卒業して初めてライブをすることになった下北沢のライブバーBIGMOUTHでこの曲をジャズっぽくアレンジしたものを演奏したんですが、対バンした松井文さんのお祖母様が、マウアイのライブ後に話しかけてくださって、今日生まれて初めてライブというものに来た。あなた方の演奏のバックにフランスの田園風景が見えました。来るのを悩んだけど、素敵な歌が聴けてよかった。と。正直めちゃめちゃ嬉しかったです!
 
2. ennui

初めにこれをもらったときは相方が病んでるのかと思いました。ピアノの入れ方が変態じゃないですか?たまらない中毒性があります。当時、友達の演劇をよく観に行っていたんですが、ひとつの舞台を観終わったあと、この曲が頭の中で流れて、これをテーマに書こうと思いました。科学技術の進歩によって便利で光に満ちたはずの未来が、少しずつズレていく。技術に頼りすぎた人間は本来の心や言葉を忘れて、蝕まれていく姿を気持ち悪く仕上げました。
 
3. lyre

二日酔いで夜起きて、テレビをつけたときにミュージックステーションで大塚愛さんがプラネタリウムを歌っていました。天井に仕上げられたスタジオのプラネタリウムをぼんやり見ていたら、不意に星と星をつなげて星座を作る恋人の情景が浮かんできて、テレビを消して、そのまま一気に書き上げました。lyreと同じ発音のliar(うそつき)の意味も含んで、過ぎた昔の恋を回想している様子を描きました。私は音楽のことがよく分からないんですが、2回転調するそうです!笑