編集人の所作 2016

 
 
2016.01 噛み合う

 
広島での個展とか、1年以上膠着状態だったMOUNTAIN&ISLANDのレコーディング歯車が噛み合い、次々に動き始めた!!自分の生涯やりたいことの芯も定まってきた。何か、行けそうな気がしてきた!呑みたい!焼き鳥食いながら呑みたい!呑みたいけど、先週焼き鳥屋で呑んだときに、今日は断食の日って決めたけん呑めん!何で今日にしたんな、おれ!噛み合ってないぞ!よし、決めた!今日は呑む!!

 
 

 
 
2016.02 縫う

 
昨年11月に展示に来てくれたくろちゃんのイベントへ行ってきた。使われなくなった衣類を素材にして、ひと針ひと針全て手縫いで制作する「もけもけ」たち。以前、作品を写真で見たときは、今にも長い爪で引っ掻かれそうな、鋭い牙で抉られそうな不気味さや攻撃的な怖さを覚えたが、生で観察してみるとそれは根底にありながらも、不器用さや可愛らしさを孕んだ生き物だと感じた。縫い目には、呪力が宿るらしい。なるほど、命をひしひしと感じずにはいられなかった。

 
 

 
 
2016.03 凱旋する

 
昨年11月の好評を受け、ノリノリになった広島人3人は、地元広島での展示「どこかの国のスコール展in広島」を決行。市内の中心袋町に想いを込めて構える。家族、友人、そして広島出身というだけでチラシ配架の依頼を受け入れてくれた周辺店舗の方々の空気感とカープファンの熱で、まだ肌寒い3月に触れる心さえホクホクと暖かくなった。

 
 

 
 
2016.04 録る

 
MOUNTAIN&ISLANDの新譜、歌録り、ミックス終了!サポートメンバーの演奏が素晴らしくて、いい緊張感で歌えました。間違いなく最高傑作のうえ、間違いなくスタジオ近くのフレッシュネスバーガーに居たのは宮藤官九郎でした。中学3年のときにフラれて歌詞を書きはじめて17年、音楽を通じて素敵な出会いがたくさんあって、こうして一つの作品が完成しました。改めて音楽続けとってえかったのー!そして改めて、うおー!宮藤官九郎!と心から思いました。

 
 

 
 
2016.05 吸収する

 
自分を保ち生きるために、2か月に1回旅に出るという目標を掲げている。今年2回目の旅は初めての福島へ。美しく光る新緑、勢いよく降る滝、湧き出る湯…平安に満ちた空気を強張った全身に取り込む。体はじわじわと解れて浄化されてゆく。これだから露天風呂はやめられない。この後、人生初めての川床料理を堪能し、そして地酒「榮川」に酔い痴れた。

 
 

 
 
2016.06 更新する

 
ベッドルームアンビエントー寝室の音楽―をコンセプトに眠れる音楽を部屋着で綴る。私の活動の4本柱のひとつ。作品も増えてきたので、アルバムから、ジャケットから、タイトルから、曲の紹介文から、4つの方法でそのときの気分や部屋着に合った曲を探せるようなページにリニューアル!ぜひ、新しい部屋着をお買い求めのうえ、お越しください。

 
 

 
 
2016.07 輝く

 
今年3月に広島で展示を行った際に、展示会場の2軒隣に建つオシャレすぎるヒロシマモノコトストア。その場所で一際輝きを放っていた「ひらがなアクセサリー」。書道家で自身で書いたひらがなをモチーフにアクセサリーを展開する国廣さん。ご縁があり、東京で繋がった。国廣さんは行動派で勉強熱心で、進みたい道を自分で切り拓く生き方は、美しくしなやかな曲線を持ちながら、凛とした表情を備えるひらがなのようだった。

 
 

 
 
2016.08 膨張する

 
絵を描く、歌を歌う、ギターを弾く、珍しい楽器を奏でる、縫う。友達がいろんな様々な方法で表現をしている。表情豊かに紡がれた作品に嫉妬を覚えながら、曲を書きたい、物語を綴りたい…統制のきかなくなった創作意欲は破裂を恐れることもせず膨張してゆく。篭りたい。温泉宿に1か月篭りたい。

 
 

 
 
2016.09 失う

 
それは、ようやく芽吹いた葵い若葉が、花を咲かせると云う行為も知らず枯れてしまったような、或いは、美しく花を咲かせることを是とせず、自ら呼吸を絶ったような、迚もかくても、失ってしまったことが苦しい。

 
 

 
 
2016.10 呑まれる

 
ここで一句「日常の 疲れを溜めては 温泉へ」波の音に包まれながらゆっくり湯に浸かる。湯の延長線に海が広がる。薄雲がかかり、何とも風情がある。日本酒を味わい、夜再び貸切状態の露天へ。波の音に癒されなが…あれ、コワい!バカ云え!海育ちの男がなぜ海がコワい?!簡潔に述べよう。太平洋みたいな大波は瀬戸内にはないからだ!波に呑まれる前に内風呂に移動しよう。呑まれるのは酒だけでいい。

 
 

 
 
2016.11 滲み出る

 
昨年、人生初の展示でお世話になった石田倉庫のオープンアトリエへ。国産の間伐材を使って、箱型の打楽器カホンを作る。木の香りを楽しみながらペイントし、完成したらセッションする。充実感に満ちたワークショップだった。北信州カホンプロジェクトの方々は、人柄の良さが隠し切れず、滲み出てしまっていた。

 
 

 
 
2016.12 刻む

 
4月に音は出来上がったものの、なかなかこの3曲を表現するジャケットが思い浮かばず。秋でまとめると1曲が圏外。秋にぴったりな2曲もそれぞれ昼と夜が舞台で、時間が真逆。うっちーと雑談を何度も重ね、時間をテーマにすれば3つをまとめることができることを発見…気付けば7か月。仕事遅っ!閃き少なっ!!いや、いいんだ!時間がテーマだから!…素晴らしいサポートメンバーを迎え、マウアイの歴史に刻まれる最高傑作が完成。ぜひお聴きください。

 

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